デリシャスタイム

ただ感情の隆起した部分をここに詰め込んでるだけです。

ラーメン二郎に行った話。

 

朝10時半、俺はラーメン二郎ひばりヶ丘店にいた。

東京の大学に通う友達の家に泊まって、朝っぱらからラーメン二郎を腹に入れる所存だ。

爆弾カロリーに挑む。

 

 

 

食うぞ。俺は食らう。初めてラーメン二郎に挑む俺はそんな風に思っていた。

小ラーメンを頼み、食券を台に置き、店主に野菜少なめ、辛め、ニンニク抜きで!

 


そう言った。たしかに俺の口から出た言葉は言霊となり、店主の耳に届いたと感じた。

 

 

 

しかし、野菜の量は多かった。それに最後に気持ち程度のもやし1束が足された。

俺はこんな化け物みたいなラーメンを食べたことがない。

 


一人孤独のグルメ(独り言を心の中で)をしていたのだが、あまりの迫力に途中で声が出てしまった。

「まじか」

 


だが俺は今日喰らわねばならぬ。

俺はラーメンを自分の席に置き、いただきますをコールし、食べた。

 


必死に食らいついた。

他に負けないように。

しかし、ラーメン二郎とは弱肉強食の世界。

早く食えたやつが勝ち、早く食ったやつが正義であり、王なのだ。

 


遅いやつはどんどん取り残され、早く食べなければならないというプレッシャーに悩まされながら、食事をしなければならない。

 


人間元来食事を楽しむことを喜びに感じる生き物といってもいいだろう。

 


しかしラーメン二郎ではそんな戯れ言は通用しない。

まさにサバンナで起こるサバイバルのように、生き残るためには早く食うしかない。それだけだ。

ラーメン二郎楽しみだなー⭐️

そんな風に思っていたあの頃の俺はまごうことなき素人。

初心者であり、ビギナーであり、二郎に訪れる野獣たちからしたら生まれたての赤ちゃんのようなものだった。

 


俺はすぐに取り残された。

隣のアラフォー男性くらいの戦士は俺がラーメンを半分食べたあたりではもう完食し、ごちそうさまの挨拶をしていた。

 


化け物だった。

そして卓上を台拭きで掃除までして余裕の表情で俺を横目に店を出た。

化け物みたいな速さだった。範馬勇次郎がショットグラスを飲み干すスピードが速すぎるというシーンを思い出した。

店の回転率は確実にあのような強者のお陰で成り立っている。


周りは皆フードファイターであり、神聖なるラーメン二郎信仰者であり、生活習慣病予備軍であるのだ。

 


俺は必死の思いで食いまくった。時に顎が外れるほどの思いで、時には嗚咽しながら食べ続けた。

それはそれは楽しい食事とはかけ離れたただのカロリー摂取である。


俺は完食後にラーメン二郎を出て思った。もう二度と行かねえ。

そうすると友人は言ったのだ。


そう言ってるけど、また明日ラーメン二郎に行きたいって言ってるよ。


そんなわけがない。そう思って夜を越えて朝を迎えた俺だが、まんまと無意識のうちに「またラーメン二郎行きてえなぁ」とつぶやいていた。


ラーメン二郎の店主はラーメンのどんぶりに最初白い粉を入れるのだが、友人はあれを薬という。ラーメン二郎の中毒性はまさにあのヤクが原因である。

そう語った。

俺は聞いたことがある。南米ではヤク入りのpizzaが流行っていると。それによりリピート率は上がり、儲かるらしい。

俺は見てしまった。みてはいけないものを。あのラーメン二郎の店主が惜しげもなくスープ投入前に入れていた白い粉は覚醒剤だったのだ。(嘘です。)

それは酒井法子もマンモスうれぴーを出してしまうだろうよ。