デリシャスタイム

ただ感情の隆起した部分をここに詰め込んでるだけです。

音楽批評は本当に必要なのか。

音楽批評は必要なのか。

そんな内容の番組がサカナクション山田一郎さんMCの番組(YOUTBEに上がってる。)

youtu.be

1〜4まであります。

これを友人に勧められて見たのだが、音楽批評は必要なのか。

そんな疑問について自分で深く考える機会をくれた。

 

私は、音楽批評とは他の批評となのつくものとは全く別物として考えるべきであると思う。

上記の動画でも触れられているように例えば、アニメ批評、漫画批評、映画批評といった作品はボロクソに批判されたりする。それもダイレクトに、なんのオブラートにも包まずに。

私が思うにこれらの作品は純粋に面白いとか面白くないとかで判断できる(ものが多い)。

面白いという感情は多少の違いはあれど、マジョリティーの感じる笑いや面白さは世間の評価と捉えるのが一般的だろう。(娯楽ビジネスが相手にするのは多数の一般人なので当然だが)

 

しかし、音楽となると話しは別だ。

音楽にはストーリーといったわかりやすい基本構造は存在せず、専門的意見としての音楽理論や、構成は後で考えることとして、ファーストインプレッションはほとんど感覚的に決まる。頭に残るメロディだとか、奇抜な音だとか、人によってそれぞれだ。そんな感覚的で個人差のレンジが広いものに対して、批評などはかなり難しいのだ。

 

ストーリーで面白いか面白くないか(細かい事抜きで)で評価しやすい映画や、小説(純文学は微妙ではあるけれども)は音楽の評価は全く別物として捉えてもいいと思う。

 

評価といった、どこかに規準(どこをどう、どのように評価するのかの規定)があって、基準化(規準による評価を数値化するものであり、例えば食べログの星で項目ごとに点数化するようなシステム)するような評価方法音楽には向かないといえる。

 

それを踏まえれば、音楽は批評であるべきではなく、もっとラフに難しくない言い方をしたほうがいいのではないかと思う。

 

音楽の意見共有(自分の好きな音楽を他の人に紹介するといったこと)や、音楽に対する意見(音楽に対して批判的意見を述べる)といったような言い方のほうがいいのではないだろうか。←ラフになってないけど笑

まぁふさわしい良い言い方というのは思い浮かばないけれど、批評という言葉のイメージの中にある仰々しさに違和感を感じざるを得ないのは確かである。

 

ただ、ファンという存在を考慮すると話は少し違ってくる。

熱狂的なファンは、音楽そのものだけではなく、アーティストが好きでLIVEに行ったり、CDを買ったりする事が多い気がする。

それは一種のビジネスミュージックのあり方である。有名人の着てる服を真似して買うというファンも多いのだからアーティストのカリスマ性や、存在感は間接的に経済的影響力を持つのだ。(コンバースジャックパーセルとかはニルバーナの影響で売れたと言っても過言ではないように。)

筆者である私があたかもそうでないような言い方でこの記事を書いていると思うかもしれないが、もちろん私もアーティストが好きで音楽を好きになることもあるし、音楽が好きでアーティストを好きになることもある。

 

しかし、これが行き過ぎるとファンはいい評価ばかりしかしない。

最もタチが悪いのは逆に、好きなアーティストへの批判的意見に対しての嫌悪がすごく執着することだ。

 

ツイッターなどで、そのような負の要素を見つけると鬼のごとく叩きのめし、蹂躙(じゅうりん)することに快感を覚えてるのではないかと思えるほどに批判的意見を排除しようとする。

 

これは良くないことだと思う。たしかに自分の好きな人を批判されるのは気持ちいいことではないが、人が複数人集まればそれは自然に起こりうる要素であるし、人それぞれ意見が違うのは当たり前だし、だからこそ議論が深まるのだから、それを受け入れていくのが正しくファンの在り方である。

 

自分に良い意見ばかり寄せられるアーティストは伸びないし、安定を求めて面白さを失っていってしまう。(更にアーティストもファンをカネを落とすものとしかみなくなることもあるかもね。)

 

これは音楽だけに言えることではない。たとえばM−1の上沼恵美子へ暴言を吐いたお笑い芸人の件でもそうだ。

 

つまり、ファンが囲いすぎるとアーティストも成長しないのではないかという意見である。

 

ファンを大切にすることも大事だが、それ以上に批判的意見や、もっと面白いことに挑戦してみるという姿勢はやはり揉まれて磨かれるべきなのだろうと思う。

 

だからこそ、批判をする側も愛を持ってするべきだろう。

まず音楽を聞いて、聴き込んで、自分に落とし込んで、アーティストの気持ちになって、他の曲も聞きまくって、最低限そこまでして批判はするべきだし、ただ一曲が悪かったからと言ってすべてを悪いモノ扱いするのはいいことではない。

 

まとめると、音楽批評は必要だが、批評というような大それたものではなく、意見共有的なノリで評価できればいいと思う。

茶店であの曲良かった、あの曲は微妙だったとか友人と話し合う。そんなノリでいいのではないだろうか。

そうであってほしいという願いも込めて。